コース: プロジェクトのためのチェンジマネジメント

他責や怒りの状態に対応する

次に、怒りや非難を向け始めた人には、 どう対応すればいいでしょうか。 ポイントは、相手の苦しい思いに 向き合うことです。 「こうなることをずっと心配していました。 ペーパーレス化を強行するなんて。 私なら、やめた方がいい理由を いくらでも挙げられます。 どうせ、システム部門の あの優秀な新人が言い出したのでしょう」 「わかります。 私もドキュメントマネジメントシステムは 苦手なので。 慣れるまで時間がかかりそうです」 「ですよね。 それに、プロジェクトの資料だって 紙で共有できなくなるでしょう。 面倒です。 システム部門には言いましたか」 「実は、システム部門の発案ではなくて、 全社的な環境戦略の一環として 決まったのです。 でもよく考えてください。 ファイリングが不要になれば、 時間が大幅に節約できることは 確かですよね」 「言われてみればそうですね。 ファイリングが要らないのはいいですが、 やはり紙で持っていたいものもあるので、 印刷できる仕組みはほしいです」 「プリンターも少しだけ残すそうです。 私の方で詳しいことを確認して、 またお知らせしますね」 「ぜひ。またお昼にでも」 「そうしましょう」 ここでは、相手の話を聴き、 共感を示し、非難感情を取り除き、 改革の理由を明確にした上で、 相手に役立つ情報の追加提供を 申し出ることで、状況を 受け入れてもらうことにつながりました。 これが、怒りや非難への 効果的な対応方法です。

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