コース: AI 入門

教師あり学習と教師なし学習

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教師あり学習と教師なし学習

機械学習には、学習という 言葉が入っています。 機械の学習とはどういうことでしょう。 人間の学習の仕方とは、どのような 点が似ていて、どのようなところが 異なるのでしょうか。 チェスのやり方を覚えたい人が いるとしましょう。 覚える方法はいくつか考えられます。 1つは、先生について習う方法です。 最初に、駒の種類や 盤上での動かし方を教わり、 練習相手になってもらいながら、 1手ずつ指し方のアドバイスを受けて 戦術を覚えていきます。 先生がみつからない場合、 公園などに出かけて 人々の対戦を観察する方法があります。 質問はできないので、黙って見物しながら、 自分でルールや戦術を覚えていくのです。 続けていると、 徐々に戦い方がわかってきます。 それぞれの駒の名前はわからなくても、 動かし方やプレイヤーの戦術は 理解できるでしょう。 機械学習でも、これらの方法と よく似たやり方を使います。 第1の方法は、教師あり学習です。 これはデータサイエンティストが 教師のように正解を示し、 システムが自らトレーニングしながら 習熟できるようにするものです。 第2の教師なし学習は、 機械にデータを読ませて 学習させる方法です。 機械はさまざまな要素やラベルの名前は わからなくても、自力で学習していきます。 これらの方法には それぞれ長所と短所があります。 教師あり学習には、 扱っている課題を熟知し、 最良のアプローチを教えられる 優秀な教師を見つけることが必要です。 教師なし学習には、 大量のデータが必要です。 データが十分でないと、 パターンを認識することはできません。 機械がさまざまなデータを直接見て、 パターンを発見するためには、 読ませるデータも、学習に役立つ 良質なものであることが必要です。 この2つの方法で、 幅広い物事を学習することができます。 企業は、顧客の行動を 機械学習にかけています。 Amazon などのオンラインショップで、 教師あり学習を利用すると、 顧客を効果的に分類することができます。 サイトをよく利用して購入額の多い顧客を、 あらかじめラベリングして教えれば、 機械学習システムが全顧客のパターンを 見渡してラベリングできるようになります。 教師なし学習を使うこともできます。 例えば Amazon なら、 取得しているすべての顧客データに システムがアクセスできるようにして、 人間が気付かなかったパターンを 独自に発見させるのです。 例えば、チェス盤と 高価な調理家電が一緒に買われやすい、 とわかれば、 おすすめに生かすことができます。 Amazon で商品を探していると、 関連が全くないのに購買意欲をそそられる 広告が表示されるのはこのためです。 機械学習の2つの方法は、 異なる強みを生かしながら 有益な知見を与えてくれます。

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