コース: AI 入門

回帰分析とは

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回帰分析とは

オンライン自動車販売の サイトを運営する会社は、ディーラーへの 仲介手数料が収益源であり、 自動車販売のトレンドを 読むことが仕事です。 春から夏は、オープンカーや スポーツカーがよく売れます。 秋から冬は、トラックや SUV(エスユーブイ)の人気が上がります。 サイトでは、その時々のニーズに合わせた プロモーションを展開します。 そのために役立つツールの1つが、 回帰分析です。 教師あり学習のアルゴリズムで、 予測変数と結果の関係性を 分析するものです。 予測変数には、入力変数、独立変数、 リグレッサーと、 さまざまな別名があります。 回帰分析は、教師あり学習の アルゴリズムなので、 正解をラベリングした 訓練データを使います。 訓練結果は、テストデータを使って 検証します。 回帰分析とは、トレンドを予測することと 言ってもいいでしょう。 暖かい季節になれば、 オープンカーがよく売れるようになり、 寒い季節になれば、トラックや SUV がよく売れるようになります。 回帰分析は、その理由を 説明するものではなく、 ただ傾向を示すものです。 なぜかを考えるのは、 データ分析を行う人々の役目です。 このことは機械学習の アルゴリズムも同じです。 訓練データを読み込み、計算で出した 予測値と実際の結果を比べながら、 繰り返しの処理によって、 徐々に予測モデルの精度を高めていきます。 冒頭の例では、車種別の売れ行きが 季節の変化で予測できるのでは という発想から、 月を予測変数に設定しています。 車種別の販売台数を結果にすると、 訓練データを使って、 X(エックス)軸と Y(ワイ)軸の シンプルな図を描くことができます。 数学の時間に教わるような簡単な図です。 このグラフの横軸すなわち X 軸は月を、 縦軸すなわち Y 軸には 車種別の販売台数を示しています。 月ごとの販売台数の推移を見てみます。 オープンカーとスポーツカーは 5月、6月、7月と販売台数が増え、 9月、10月、11 月は減少しています。 トラックと SUV では、 この傾向が逆転しています。 予測の精度は、 データを集めるほど上がります。 回帰分析は、企業にとって 非常に利用価値が高い手法です。 需要を先読みした製造や仕入れが 実現できるため、 Walmart(ウォルマート)などの大手は、 データを徹底的に活用した 品揃えを行っています。 人々が夏に多く買い求める アイスキャンディーや、冬によく売れる 牛乳やチーズが、 ピーク時にも欠品にならないのは、 会社があらかじめ販売数の トレンドを予測して 店頭に揃えているからなのです。 回帰分析については、機械学習と 呼ぶことへの疑問の声もあります。 確かに機械は 何も学んでいるわけではないので、 予測という方が実態に近いでしょう。 いずれにしても、回帰分析は将来予測に 幅広く活用されている手法です。 変化のトレンドは、 至るところに隠れています。 あなたの会社でも、 回帰分析が使えそうな場面や 知りたいトレンドを、 ぜひ考えてみてください。

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