コース: AI 入門

AIロボットとは

コース: AI 入門

AIロボットとは

ロボットとの融合は、 AI のさまざまな応用領域の中でも 幅広い層からの関心を集める 分野の1つです。 ロボットは、人が担っていた作業を 肩代わりしてくれる機械として、 工場で重いものを持ち上げたり、 飲食店で配膳したりと、 さまざまな用途に使われます。 自動運転車や無人地下鉄などの乗り物も、 ロボットの一種といえるでしょう。 生き物のようにふるまう機械を作ることは、 発明家たちの長年の夢でした。 かつてロボットといえば、 用途をきわめて限定した機械で、 部品の溶接などを担っていました。 私の出身地にもロボットが 働く自動車工場があり、 車を持ち上げて部品を 取り付けたりしていましたが、 知性は感じさせませんでした。 すばらしい仕事はしても、 その範囲が極端に狭いからです。 プログラミングされない限り、 作業員のために車のドアひとつ 開けることもできず、 同じ作業を繰り返すだけでした。 その範囲が、AI を組み合わせることで 大きく広がりました。 状況に対応したり、 新たな作業を覚えたりする 能力を獲得したのです。 その代表例が自動運転車です。 路上で起こりうるあらゆる状況に 車が対応できるよう、すべてを プログラミングすることは不可能です。 そこで最近の自動車には、 人工ニューラルネットワークの 機械学習が導入されています。 ネットワークは、車に取り付けられた 無数のセンサーからのデータを 読み込みます。 車が通行する道路や交通の状況は さまざまである上、 前後や対向の車以外にも、 歩行者や動物など、いろいろなものに 注意を払わなければなりません。 その上で、安全な運転パターンを 決定します。 前方を横切ろうとするのが鹿か、 犬を連れた歩行者かでも、 最適な対応は異なるため、 多くは運転席にドライバーを 待機させています。 状況に応じた 人工ニューラルネットワークの反応を 監視しているのです。 どんなシステムでも、 データの学習には時間がかかります。 人工ニューラルネットワークの学習は、 訓練とも呼ばれます。 Google は、自動運転車を ロボット技術ではなく データ技術と捉えています。 自動車に右左折の方法を教えるより、 右左折のタイミングを判断させる方が はるかに難しいという理屈です。 そこまでの複雑さが要らない場合、 すでに説明した GOFAI でも 十分実用的です。 これは機械学習ではなく 記号システムを使うAIのことで、 目的に応じた賢い動作を プログラミングします。 この点が、壁をよけて動くよう プログラミングされたロボット掃除機と、 周囲の状況を高度に理解して 対応する自動運転車の違いです。 現在のロボットは、この掃除機のような GOFAI タイプが大半です。 それは、現実にミスが起きた場合の 損害が大きいからです。 仮に、薬剤師の仕事を担うロボットが 調剤ミスをすれば、大変なことになります。 記号システムの GOFAI でシンプルな仕事を 地道に担うロボットが多いのも、 それが理由です。

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