コース: チェンジマネジメントで働き方のデジタルトランスフォーメーションを推進する

ビジョンのサンプルを作る

ビジョンを具体的に描くには どうしたら良いでしょうか。 デジタルトランスフォーメーションが 求められる現代のビジネスに ふさわしい働き方を考えることによって ビジョンのサンプルを作成し ビジョンを作成するヒントをお見せします。 蒸気、電気、電子と IT のように これまでに3度の産業革命が起こりました。 そのたびに既存の製品が 新しいテクノロジーで生み出された 製品に置き換わる ディスラプションが起こってきました。 デジタルは 第四次産業革命と呼ばれ 新たなビジネス機会を生み出しています。 デジタルビジネスや デジタルトランスフォーメーションという 言葉に代表されるように 新しいデジタルテクノロジーで 既存のサービスや製品の 置き換えが始まっています。 デジタルの特徴は 新しい製品の登場から 置き換えのライフサイクルが 非常に短くなっていることです。 そこで、その環境で働く我々も 働き方を変える必要が出てきました。 まず従来の働き方を見てみましょう。 従来の働き方は 硬直した考え方、 つまり生まれ持った能力は決まっている という価値観に基づいています。 これは少しでもよく見せようとする 賢く見られたいという 欲求につながります。 例えば課題を避ける、 フィードバックを無視する、 失敗に挫ける、他人と張り合うといった 行動の特徴につながります。 この価値観に基づくやり方は 変化が少ない時代においては 個人の習熟、 既知のソリューションの適用といった やり方に向いています。 つまり硬直した考え方においての 重要な要素は 既存のビジネスの延長線上のミッションに 関する専門知識と言えます。 一方でデジタル時代における働き方は 成長する考え方、 つまり知性や能力は 学習を通じて身につけられるという 価値観に基づきます。 これはより良くなろうという 学習意欲につながります。 例えば批判を改善に活かす。 課題を成長の機会に捉える。 他社の成功から学ぶ。 失敗を乗り越えて学習するといった 行動の特徴につながります。 この価値観に基づくやり方は チームワークやコラボレーション、 リスクをとって新しいことを 生み出すことに向いています。 成功する考えにおいての重要要素は 新しいことを常に生み出す デジタルビジネスに対応するための 能力となっています。 チームワークやコラボレーションという 言葉が出てきましたが これこそが今後重要視される 従業員同士の関わり方なのです。 近年、ビジネス上の共同作業の量は ここ数年間で飛躍的に増加しました。 5年前と比較して従業員は 2倍のチームに所属し 50%共同作業が増え 共同作業は業務時間の 80%を 占めるようになったという調査があります。 しかし、その働き方にも 課題があります。 チームの名の如く メンバーが集まる必要があり 社内だけではなく 社外のメンバーもいますし メンバーは地理的にも分散していることが 多いですし、 様々な世代が存在しています。 チームが働くための 理想の環境は 専用のプロジェクトルームです。 そこにはチームメンバーが集まり プロジェクトについてのディスカッションや 雑談などのコミュニケーションが 行われます。 そして業務遂行のために ホワイトボードや会議用のツール、 資料や議事録、 IT ツールで社内システムや経営データを 参照したりするでしょう。 従来はプロジェクトルームがあれば それで済みまし���。 しかし現代においては チームメンバーは社内外、 地理的に点在し、 複数のチームに所属しているため 専用の部屋を与えることは 難しくなっています。 そこで働き方の デジタルトランスフォーメーションとして 物理的な部屋ではなく 従業員の誰もが手軽にアクセスできる ワークスペースを デジタル的に作ることができれば 課題を克服することができます。 そこでクラウドベンダー各社は 世界中で普及し あらゆる年代が使うチャットスタイルを ベースとしたデジタルワークスペースの ソリューションを提供しています。 チャットスタイルの特徴は ID を持っている人が 個人間やグループ間での会話を行い その履歴がずっと残ります。 マイクロソフトでは Microsoft Teams という チャットベースの デジタルワークスペースを 提供しています。 チームメンバーや個人のチャット機能に加え ファイル、共同編集、Web 会議、 タスク管理、会社アプリや クラウドアプリとの連携など 一度アクセスすれば どこにいてもチームメンバーと 共同作業ができる環境が 整っています。 メールやファイルサーバーやブラウザで バラバラに各種システムにアクセスする といった従来の仕組みと比較して チャットによるデジタルワークスペースは チームにとって情報の集約性と 共同作業の効率性が 圧倒的に高いのです。 しかし物理的なワークスペースが 無意味かというと 決してそうではありません。 移動や全員の予定を合わせるなど 時間的なコストが非常に高い働き方ですが キックオフ、意思決定、チームビルディング ものづくりといった面で 大きな力を発揮することは明らかです。 そこで一番大きな効果を発揮させるために ただの集合場所ではなく 革新性のあるデザインなどで 創造性を刺激する要素を提供し チームメンバーが集まる効果を 最大限に高めます。 一方でデジタルにおいては アクセスのための鍵となる ID のセキュリティを高めながら アクセスすれば、 誰とでもコラボレーションがとれる デジタルワークスペースとして拡充し 従業員の日常の生産性を 最大限に高めま���。 2種類のワークスペースを充実させることで チームワークを促進させるビジョンを 描いてみました。 これはサンプルなので ビジネスのビジョンとの連動を 考慮に入れていませんが このレッスンの内容を参考に みなさんもビジネスの方向性に沿った ビジョンを作成してみてください。

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