コース: チェンジマネジメントで働き方のデジタルトランスフォーメーションを推進する

ビジョンの効果を理解する

何かを変化させようとしたときに 変化した後の状態を具体的に イメージする必要があります。 例えば数年後のビジネスの目標を 達成するときに 導入予定のツールを使って 従業員はどんな働き方をしているのかと 問いかけたときに その問いへの答えが 新しい働き方のイメージになってきます。 そのイメージを具体化したものが ビジョンとなります。 ビジョンの考え方について 学んでいきましょう。 ストラテジーの中で まず考えるべきものは何でしょうか。 それはゴールであるビジョンです。 チェンジマネジメントでの ビジョンの定義は 提示された人に納得感のある 近い将来の企業・従業員の働き方の あるべき姿、状態です。 デジタルトランスフォーメーションとは ツールを導入ではなく 人や組織を変えることです。 この図はサイモン・シネックが提唱する ゴールデンサークルの図です。 人を変えるためには WHY を提示しなければいけません。 そして WHY にあたるのが 魅力的なビジョンです。 サイモン・シネックは例として ライト兄弟を挙げました。 有人動力飛行の開発が激化する中 彼らは飛行機を 世界を変える手段だと WHY に答えるビジョンを唱えることで 優秀な人材を引きつけ 名誉や金銭を目的とした 開発チームに先行して 初の友人動力飛行に成功したのです。 現在までに多くの人を魅了した 製品や人物は まずビジョンを示すことで 人の心を掴み、 製品の購買や行動を取らせました。 ツールについて最初に説明すると HOW である方法、 WHAT であるサービスやプロダクトや 機能の話になってしまい 人を引きつけたり 動かしたりすることが難しくなります。 明確で完結でわかりやすいビジョンは 次のような効果をもたらします。 従業員に新しいやり方が 組織にどのように価値をもたらすか 簡単に理解させる。 組織内でプロジェクトを 自分ごととして捉えてくれることを促す。 変革を進める上での各プロセスで 支援を得られる。 といったことが挙げられます。 それではこちらの図で ビジョンの効果について見てみましょう。 ある組織でトップが デジタルトランスフォーメーションを やるぞと叫んだとします。 その内容が薄く 理由もない場合は 下の階層に伝わるたびに 伝言ゲームのように異なる解釈が 生まれていきます。 結果的にバラバラの取り組みになります。 そこでデジタルトランスフォーメーションに 納得のいく具体的なビジョンを与え それとともにメッセージを与えれば 各レイヤーでの 目指すべき姿が共通となり 組織の力が集約されます。 働き方は企業のビジョンと戦略を 実現するためのものですので 自由に作ることはできません。 働き方の デジタルトランスフォーメーションの ビジョンは、企業のビジョンと 戦略に従います。 そしてそれを基に 目的を書き出していきます。 さらに目的を達成するような ビジネスシナリオを作成していくことで ビジョンがより具体的に なっていきます。 ビジョンを描くのは容易ではありませんが 0から作るのは得策ではありません。 そこで、ここで示すフレームワークを使って 書き方の例を示してみます。 検討するために役に立つ 質問をいくつか投げかけますので 答えを書き出してみてください。 まずはみなさんのビジネスを考えます。 投げかける質問としては 会社の直近のミッションは何か。 数年後のビジョンは何か。 次にユーザーに視点を移します。 問いかける質問としては 従業員はどんな働き方をしているか。 何に情熱を持っているのか。 働く上で困っていることは何かです。 そして最後にテクノロジーを 考えてみます。 なげかける質問は Microsoft Teams で実現可能か。 他の要素との連携で実現できるか。 今後リリースされる技術は何かです。 この3種類の問いかけの答えが重なり合う所に みなさんの働き方の デジタルトランスフォーメーションの ビジョンが見えてくるはずです。 ビジョンの効果について確認してきました。 新しい働き方のビジョンを定め デジタルトランスフォーメーションで 組織の多くの人に なぜ変わらなければいけないかを 示してください。

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