コース: データ分析 入門1:基本

存在しないデータを扱う

コース: データ分析 入門1:基本

存在しないデータを扱う

企業で使用するさまざまなシステムは、 従業員の人事情報、会計情報、 あるいは販売データなど、 企業活動にとって重要なデータを 適切に取得、 活用できるように構築されています。 しかしレポート作成のためのデータや プロセス監視のためのデータなど、 必要なデータはシステム内に存在しない というケースもあります。 また、画面上では計算結果が 表示されているにもかかわらず、 結果が保存されていない というようなケースもあります。 さらに現在必要としている情報が システムが構築された時には 必要とされていなかった といったケースもあります。 ビジネス環境は常に変化し続け、 その中で成長し続けるために、 その時々で必要となる情報が変化することは 自然なことです。 データアナリストとして 意思決定に必要なデータが すべて揃っている状況ばかりではない ということを理解する必要があります。 その上で 手元にないデータを扱うために、 さまざまな関数を理解し、活用することで 意思決定に必要なデータセットの 構築スキルも必要になります。 データの扱いは足し算、引き算、 掛け算、割り算のような 基本的な数学関数を理解することから 始まります。 例えば価格と注文数量の データは存在しますが、 その合計データがないような場合、 価格に注文数量を掛け合わせて 合計データを求める必要があります。 そのための関数や計算式以外に 合計やカウント、 平均のような集計関数も 理解しておく必要があります。 これら関数や計算式に加え、 フィールドを結びつけて表示する方法を 理解することで、 より有意義なデータ表示も可能になります。 フィールドを結びつけて表示する CONCAT 関数などは データアナリストにとって 基本的な知識です。 さらに IF 関数代表される 論理関数の理解も データ作成に必要な知識です。 IF 関数は 指定した条件が成立するか、 しないかの判断を行い、 それぞれの結果に応じた処理を 行うものです。 ここでは、顧客割引を例に 考え方を紹介します。 この会社は 10 万円以上の注文をした顧客には 5千円のギフトカードを 贈呈すると決めました。 IF 関数は注文金額が 10 万円以上であるか否かを 判断するために必要です。 10 万円未満であれば、 ギフトカードを贈呈しません。 数式や関数を使用して データを作成するために、 どれだけのデータが必要か といった基準はありません。 それはデータを使って何を得たいか、 ゴールから逆算して考えます。 また日付を扱っているデータセットは多く、 日付に関する関数の学習も必要です。 扱うデータのデータ型や 表示形式が間違っていた場合には、 適切なデータ型に変換するための 変換関数の使い方も 理解しておく必要がありそうです。 ここでは Excel を使います。 リボンに上部の 「ファイル」「ホーム」「挿入」 と書いてあるところを タブといいます。 左から順にクリックすると、 それぞれのタブごとに機能が表示されます。 各機能の上に マウスポインターを合わせると、 機能の説明が表示されます。 それでは「数式」タブを表示します。 関数ライブラリを見ていきます。 関数の挿入機能があります。 さらに隣には オート SUM があり、 その中に「合計」「平均」「数値の個数」 「最大値」「最小値」を求める関数が 並んでいます。 最近使った関数もあります。 カーソルを合わせると、 それぞれの関数についての 説明が表示されます。 また、関数は「財務」や「論理」 「文字列操作」 「日付/時刻」「検索/行列」 「数学/三角」「その他の関数」といった カテゴリごとに分類されています。 では論理関数を見ていきましょう。 一覧から IF を選択すると、 関数を設定する画面が表示されます。 論理式に条件を設定すると、 値が TRUE か FALSE かを教えてくれます。 値が真の場合、 値が偽の場合の設定を入力できます。 また、この関数の ヘルプをクリックすることもできます。 ヘルプから実例などを見ることもでき、 仕事に応用しやすくなります。 関数ライブラリという 便利な機能を使用することで、 関数の構文理解に役立てたり、 効率よく関数を作成することができます。 データによって使用する計算式や 関数の種類が決まってきます。 初めから IF 関数の使い方や フィールドの連結方法を 知っているわけではありません。 それぞれの使い方を学び、 使用できるようになっていきます。

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