コース: Lightroom CC 2019 基本講座

ブラシによる補正

このレッスンでは Lightroom CC の ブラシを使って 自由な領域を指定して 補正や効果を加える方法を解説します。 Lightroom CC の「編集」パネルには 写真全体の色や明るさを調整したり、 「シャープ」や「ノイズ軽減」といった 機能がありますが 写真の一部分だけを明るくしたり 鮮やかにしたいという時には 「ブラシ」「線形グラデーション」 「円形グラデーション」を使い分けると とても便利です。 中でも「ブラシ」は その名の通りブラシで描くように ドラッグをして 効果を加える領域を 自由に指定できるというのが 大きな特徴です。 「ブラシ」を開くと、ブラシのサイズと 15 種類もの、調整項目が並んでいます。 これらは編集パネルの調整項目と ほとんど同じですが 「ブラシ」には自然な彩度や 偽色の軽減、粒子の項目がありません。 その代わりにモアレを軽減するツールや 「カラー」という着色機能があります。 いずれも調整方法は 編集パネルと同じですが ブラシの特徴は何と言っても 画像を直接ブラシで描くようにして 範囲を指定することです。 ブラシの調整は一番上の 「サイズ」のスライダーで 調整したい部分を塗りつぶす ブラシのサイズに設定します。 ここでは 20 前後に設定をしておきます。 このブラシにはオプションがついています。 右側のボタンをクリックすると、 さらに「ぼかし」「流量」「密度」 「自動マスク」の項目が増えます。 「ぼかし」はブラシの輪郭に 徐々に効果が加わる幅です。 数値が大きいほど輪郭がソフトになり 数値が小さいほど 輪郭がくっきりした 鉛筆のようになります。 ここでは中間の 50 に設定しておきます。 「流量」は効果が加わる量で 数値が大きいほど一度のドラッグで 適用される量が多くなります。 ここでは最大の 100 に設定します。 「密度」は効果の不透明度で 数値が大きいほど効果が強くかかり、 小さくなるほど薄い効果になります。 ここも最大の 100 に設定します。 「自動マスク」は、ここでは 外した状態にしておきます。 下のコントロールは 中央にマーカーがある状態では 何も効果が適用されていません。 もしなんらかの設定がされている場合は マーカーをダブルクリックで リセットするか、 コントロール領域で右クリックで 「すべてのスライダーをリセット」を 選びます。 これで初期化されました。 この状態で ブラシでドラッグした範囲を 明るくしたいので まずは 「露光量」のスライダーを 右にドラッグして 少し高めておきます。 ここでは 1.3 前後に設定します。 花の部分をドラッグすると その部分が明るくなります。 続けて、領域を追加したい時には ピンが選択されている状態で ドラッグをします。 どのような領域に 効果が加わったのかを見るには ピンにマウスポインタを重ねると 赤い半透明のマスクが表示されるので 参考にします。 ピンからマウスポインタを外すと、 マスク表示が消えます。 マスク領域が 花を覆っていることがわかります。 ただ明らかに花から、はみ出しているので その部分を削除します。 消しゴムを選択します。 消しゴムもブラシと同様に サイズなどの設定ができます。 「自動マスク」にチェックを入れて 花の外側をドラッグしてみます。 花びらの内側に ブラシの中央が食い込まないように ドラッグすると、 花の内側だけが明るくなります。 この自動マスクによって 明るさや色の差の大きいエッジを検出して 輪郭に沿って領域を整えることができます。 ここではまだ露光量しか適用していませんが 各コントロールを自由に 調整していけます。 この領域はピンを右クリックで 「複製」を選んで 効果を倍増させたり この領域をそっくりそのまま 移動もできます。 不要なピンは右クリックで 「削除」を選ぶか ピンを選択した状態で delete キーを押して消します。 新しい領域を作りたい時には +の「新しいブラシを開始」を 選択してから ドラッグすると、また ピンが追加されます。 こうすることによって 複数の効果を部分的に 適用していくことができます。 これらのブラシの効果を すべてリセットしたい時には 「初期化」ボタンをクリックします。 初期化直後であれば Mac では command+Z Windows では Ctrl+Z を押して 前の状態に戻せます。 「元画像を表示」をクリックして 補正前と補正後を比較できます。 設定後は特に確定するボタンなどはないので 「ブラシ」を閉じて完了です。 もちろん再度開くと 前の状態が保たれているので ピンをクリックして 再調整をしましょう。 以上、自由な領域に 様々な調整を加えることができる ブラシの活用方法でした。

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