コース: すぐに変われる組織になるには

組織のフラット化の背景と影響を知る

水平分業化が進んでいるのは 業界だけに限らず、 企業の分業化も、 徐々にですが進行しています。 伝統的な組織構造はヒエラルキー型で、 社員はトップダウン式の指揮系統に 従っていました。 近代以降には、研究開発、製造、供給、 事業管理、財務、IT管理というように、 役割に応じた部門が生まれ、 それらがまとまって1つの組織を 構成していました。 情報化以前の時代、多くの人々を 管理する上で最も効果的な組織構造は ヒエラルキー型とされていました。 企業がモデルにしたのは、 決定事項をトップダウンで確実に 実行するために作られた 軍隊の組織構造です。 その後、専門性で仕事を分けると 能率が上がるという発想で、 組織部門が分けられました。 仕事を覚えるまでに時間がかかった時代は、 同じ職種でまとまり、経験者に 習う方法が効率的だったのです。 しかし、自動化とグローバル化の 進展により、これらの必要性は 薄れつつあります。 通信網の発達で、遠い場所とも 瞬時に連絡でき、 作業の分担も効率化して、 組織がフラット化しています。 そして、作業分担の効率化が進めば、 従来のような社内部門の壁も 不要になっていきます。 このように、組織の部門や管理をめぐる 基本的な前提が揺らぎつつある 現在だからこそ、組織のあるべき姿を 改めて考え直す必要があるのです。 それを問い直すことで、 組織の存在意義も明確になり、 有効な戦略の方向性が見えてくるでしょう。 組織のあるべき姿とは、 会社の目指すものや、 中心となる強みや、 一貫して大切にしている価値のことです。 詳しくは順番に説明していきます。 企業の分業化がこのまま進めば、 必然的に、将来の企業組織の姿は どうなっていくのかという 問いに行き当たります。 しかし今はまず、徐々に進む 水平分業化の波を受け入れ、 この激しい変化をチャンスとして 生かせる組織戦略のアプローチを 考えることが必要です。

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